都内で庭付き一戸建てというと、高嶺の花とあきらめてしまいそうですが、土地の資産価値ではなく利用価値に注目すると、定期借地権という選択肢があります。かつては、地主という経済的な強者から借地人、借家人という弱者を守るという法理論の元にできた借地借家法で、借地人、借家人の権利は居住権として保護され、契約期間が満了しても、居住者が希望した場合は原則として更新に応じなければいけないなど、地主の立場から見ると不利な条件がそろっていました。しかし、借地人、借家人と地主は契約のうえでは対等な当事者同士でもあり、当事者同士が同意していれば、法律が必要以上の介入をする必要はないということでできたのが改正借地借家法と、定期借地権、定期借家権です。定期借地権は、期限が満了したら、更新せずに退去することを前提にするため、地主も安心して貸すことができます。

従来の法律の借地権は旧法賃借権と呼ばれ、土地の権利の一部として相続税法などでも、資産価値が認められていましたが、定期賃借権は、文字通り、一定の期間利用するレンタルのようなものです。地主も、土地の権利の一部を失うわけではないので、比較的手ごろな価格で始められるのが定期借地権です。将来は実家に戻るとか、転勤で生活の拠点を移してはいるが、いずれ田舎に戻るなど、一戸建てを期間限定で生活したい場合には、定期借地権の住宅が手ごろです。その他、少子化で、財産を遺す相手もいないが、マンションではなく、一戸建てで暮らしたいという人もおすすめでS。