住宅を購入するか賃貸のままで過すか。その葛藤が始まるのは、結婚して所帯を持つ20代後半から30代前半辺りでしょう。その年代になると周りにも持ち家を購入する世帯が徐々に増えてきます。持ち家率が50%に近づくのが大体40代ですから、その時期にマイホームを購入する決断を迫られている意識が働いてきます。

しかし一旦落ち着いてよく考えてみましょう。本当に今家を購入する必要があるのか。人によっては賃貸でいる方がメリットが多いケースもあるのです。賃貸に済むメリットはライフスタイルの変化に対応しやすいことが最大のメリットでしょう。

子どもの誕生によりマイホームを購入する人も多いのですが、その後子どもの人数がさらに増え、結局住み替えることも少なくありません。そういった場合、賃貸ですと引越しすれば済むので持ち家の買換えほどの手間はかかりません。また30代は転勤が多い年代でもあります。持ち家を購入した途端に転勤を命じられることが多い、とは昔からよく言われますよね。

家族で赴任先に向かうなら、持ち家を人に貸すにしても赴任先の家賃も発生しますし、単身赴任でも二重に生活費がかかります。こういったことから、ライフスタイルが不確定な要素がある人は必ずしも持ち家の方が良い、とは言い切れないのです。また地価変動の影響を受けないメリットもあります。地価の高騰した時期に物件を購入してしまうと、将来的に住替えを考えても二束三文でしか売却できず、さらにローンを抱えることにもなります。

とはいえ、もちろん賃貸にもデメリットがいくつかあります。老後を含めた将来的な安定の為には、ある時期までに持ち家を購入した方が得をするデータもあります。住宅購入に備えた貯蓄をする必要性を忘れずにいましょう。